今回はトーンホールのサビについて書いてみたいと思います。オーバーホールの作業中にしばしば目にするトーンホールのサビ。オープンキーにも見られますが特にクローズドキーによく発生します。だいたいここまでサビが進行するとタンポもダメになっているケースが多いです。

これはド♯です。演奏中、張り付いて開かなくなったりしませんか?それはこんなサビが原因かもしれません。開くときに「バリっ」で音がする場合はかなり状態が良くないです。

なぜこんなことになるのか。

これはタンポにも言えることですが演奏後の水拭きが適切に出来ていないから。もちろんきちんと水拭きしていても少しは仕方ないのですがここまで酷くなることはありません。サビが酷いともちろんタンポにも大きなダメージを与えます。いくらタンポを新品に交換してもトーンホールがこのままでは全くダメですね。面倒でもぜひ水拭きをしっかりやってください。

サックスリペア工房ではオーバーホール時など状態によりトーンホールの研磨処理をお勧めすることがあります。研磨と言っても基本的には表面の数ミクロンを研磨するだけなので全く心配はありません。丁寧に処理をしてあげるとこのとおりキレイな状態に戻ります。

今回はみなさんがあまり気にかけないトーンホールについて書いてみました。普段から演奏後はしっかりお手入れをお願いしますね!